幼児教育の必要性はどこにある?

幼児教育の必要性はどこにある?

「幼児教育」という言葉を聞くと、英語の早期教育や能力開発をイメージしませんか? 幼児教育の本来の意味と目的、その必要性について考えてみましょう。

幼児教育は人間の土台作り

小学校に上がる前、おおむね1歳~6歳を「幼児期」とよびます。

この時期はものごとを覚えたり、人間らしい感情を育てたり、社会性を身につける期間。人間の基礎的な部分を作り上げる大切な時間といえます。

この時期に行う教育を「幼児教育」と言いますが、幼児教育というと「早い時期から英語を習わせたり、能力開発プログラムに取り組んだりすること」というイメージがあるかもしれません。

しかし、本来は幼児期に家庭とその周りの地域社会、そして幼稚園や保育所といった生活の場で行われるすべての教育を指します

幼児期の子どもたちは遊びなどの体験を通じて自分を表現する方法を知り、外の世界への好奇心を持ち、自分と他人のちがいを意識するようになります。

これは人間として生きていくうえで土台となる力であり、こうした力を伸ばしていくのが幼児教育なのです。

知識を先取りして教える「早期教育」も幼児教育の理念と重なる部分はありますが、イコールではないことを知っておいてください。

幼児教育で育みたい「非認知能力」

人間の能力には「認知能力」「非認知能力」があります。

「認知能力」とは、いわゆるテストなどで測ることができる力のこと。

対する「非認知能力」は粘り強さや協調性、意欲、自尊心といった数値で測ることができない力を指します。

非認知能力を向上させることは、認知能力を高めることにつながります。

このことは、ある意味当然ともいえるでしょう。

やってみようという意欲やあきらめない心は、ものごとを覚えたり理解したりするうえで必要となる力だからです。

非認知能力は将来、学力を伸ばすうえで力であるばかりか、社会に出てからも必要な力です。

非認知能力を身に着けるには、幼児期から取り組むのが最適とされています。

非認知能力が小学校以降の学習を進めるうえで前提となる力であり、非認知能力を伸ばす過程は乳幼児期の子どもが自分の世界を広げ、人間として生きていく力をつける過程そのものだからです。

1960年代、アメリカで貧困層家庭の子どもたちを2つのグループに分け、就学前教育に関する「ペリー幼児教育計画」という実験が行われました。1つのグループには週5日の午前中に幼稚園に通わせ、週2日の午後に教師が家庭訪問をして、幼稚園や家庭での子どもの様子について親と話し合い、指導をしました。他方のグループにはそうした就学前教育を行いませんでした。その後、数年ごとに追跡した結果、前者のグループが学業成績や所得、犯罪率といった数字のすべてで後者のグループよりもよい結果が出たそうです。さらに注目すべき点は、前者のグループの子どもたちは、IQの伸びはさほどなかったにもかかわらず、学習意欲が伸びたということ。

小学校に上がる前に適切な教育を受け、非認知能力を伸ばすことは学業だけでなく、その後の人生にも影響を及ぼす可能性があることが、この実験によって知られるようになったのです。

どんな幼児教育をすればいい?

非認知能力が生きるうえで大切な力であることはわかっていただけたと思います。

幼稚園や保育園、小学校でも非認知能力を伸ばす教育が今後、ますます重視される傾向にあり、2020年度からの小学校学習指導要領(各学校がカリキュラムを組むうえで基準となるもの。約10年ごとに改訂され、次回の改定は2020年です)でも大きな柱になるとみられています。

幼稚園や保育園でも非認知能力の重要性を認識したうえでカリキュラムを組むところが増えていますが、幼児教育は園だけで行うものではありません。

家庭でも非認知能力を伸ばすことを意識した教育を行ってみてください。といっても特別なことをする必要はありません。

「何かができるようにサポートするのではなく、自分でがんばろうとする心をサポートする」
「子どもが興味を持ったものを、たとえそれがご自身の望むようなものでなくても、やり続けさせてあげる」

など、関わり方のポイントを〝非認知能力を伸ばすこと″に置けばいいのです。

さて、幼児教育といえば、幼児教室のことが思い浮かぶでしょう。

幼児教室には幼稚園受験、能力開発、早期教育などいくつかのカテゴリーに分かれます。

幼児教室に通わせることを考えている場合も、まずは「生きていく力=非認知能力」を伸ばすことを念頭に置き、教室選びをしてみてはいかがでしょうか。

まとめ

幼児教育の必要性とは何か? それは人間の土台を作ることにあります。

人間の土台を作るうえで重要なことは、知識を先取りして教えることではなく、意欲や忍耐など数字では測れない「非認知能力」とよばれる力です。

家庭でも非認知能力を意識して子どもに接すると、自分なりに子育ての指針を持つことができますよ。

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